9月24〜25日、一人燕岳を歩いて来ました。
それにしても初めての山歩き、それも北アルプスを単独だなんて俺もどうかしている。
霧が立ち込める不気味な峠道を走り、登山口の駐車場に着いたのは深夜0時頃。
入口の坂を下り、奥の地面がドロ沼のような場所に車を停めた。
渓流の音が響きやけに不安な夜でした。
夜明け前に起床し、(ってほとんど寝れませんでしたが)まわりの様子をうかがいながらのそりと車から出て登山口まで歩く。【AM6:30】
いきなりの急な登りに焦りました。おいおいビギナー向けじゃなかったっけ
それにしても、なぜ山を歩こうと思ったのか
きっかけは夏の初め、娘の陸上記録会でえらく感動した日。俺も!と闘志を燃やしたのを覚えています。
そして、まずダイエットに着手。笑
たまたま医療職の友人と飲んだ時に〝身体は食べた物で出来ている〟と言われたのがズシンときた。それからはOLのようにヘルシー、カワイイをキーワードに食事に気をつかい、三ヶ月で10キロも痩せました。
体が軽くなると行動力もでて、なんとなく始めた土手歩きも徐々に距離を伸ばし30キロを歩くようになった。自分にとっては大きな進歩
それと本。
たまたま手にした山岳小説が面白くて、暇さえあれば読むようになった。もともと本は読まないし、まして登山をする訳でも無いのに不思議と引き込まれた
名作と言われる本では、ストーリーはもちろんですが、素晴らしい山の描写に惹かれました。
その小説の舞台を見たいと思い、足を向けたのは7月の上高地
そして上高地の下調べで買った〝夏、山へ〟という雑誌の見開きのページに異様な迫力で載っていたのが燕岳だったのです。
【AM9:30】合戦小屋に到着。
ここまでのジグザグな急登から脱出、景色も開けてきてほんと救われた。
紅葉のカラフルな景色の先にはゴールである山小屋が見える。こんな道は歩くだけで幸せになれる
そしてゴツゴツした岩場を越えれば山頂は近いはず。さあ、もうひと踏ん張りだ
最後の力を振り絞り、テン場の階段を上がれば雑誌で見た、不思議な景観の燕岳が姿を現しました。
【AM10:50】
左手には槍ヶ岳が見え、思わず声をあげる。
何の鳥だろうか、岩のまわりを飛び交う鳥の群が、巨大な岩をより壮大に感じさせます
全てのシーンが感動的で歩き進めるのが惜しいほど。
この景色をいつか、家族にも見せたい
今にもガスで包まれそうな谷側、下からはゴーっと冷たい風が吹き上がり迫力、ちと怖かったです。
ついに標高2763mの頂に立つ。
登頂を喜ぶように、互いにカメラのシャッターを押してもらうのがマナーのよう。
何だかよく分からないポーズですが、これ合ってます?
燕岳の山頂から眺めれば、足元から南へ連なる峰々が永遠と続き、はっきりとした尾根がハイカーの道を示す。その山々の名前は分からないが、すぐに覚えられる気がします。
シンボリックな槍ヶ岳は、異様な迫力で雲の切れ間から時々姿を現す。ここからがあそこに繋がる道のスタートかと思うとため息が出る程遠い。
そういえば両親が登山をやっていたのを思い出し、話を聞きに行ったことがあります。
夫婦揃って山地図を出してきて楽しそうに話してくれた。
そうか、自分が時間と体力を無駄にすごしていた頃、親は山に熱狂していたかと思うと可笑しかった。
それに里山程度かと思いきや、毎週のように険しい縦走していたらしい。「槍はステキよ」といわれ驚いた。笑
その道を自分も少し歩いてみたが、他に登山者の姿も無く不安になって引き返した。
次に来る時はこの先を歩こう。
お、お、雷鳥。誰か誰かここにいるよと伝えたいのに誰もいない。ああ
丸々としているのに、カワイイのに、
今日は初めて山小屋に泊まります。その佇まいがイカす燕山荘よろしくお願いしま〜す。
さすが〝泊まってみたい山小屋No1〟沢山のハイカーがいました。
ガヤガヤと賑わうロビーを抜け、部屋でザックを下せば山小屋の独特な雰囲気に圧倒されます。
「こんにちはー!」疲れて元気じゃないのに元気に挨拶
食堂ではどこのテーブルも賑やか。子供連れのグループがケーキで誕生日を祝い、みんなで幸せそうにバースデーソングを歌う姿が印象的でした。そうか誕生日を記念しての登山か~いいな。
談話室にあった、日本の山岳写真集〝美しき山〟に見入ってしまった。プロの山岳写真家の魅せる美しい写真と、新田次郎の想いが寄せるこの本。山って凄い
10人掛けのテーブルに寄り添っての夕食。ご飯、みそ汁を互いによそり合い、何だか田舎の親戚の家に来たような感じで和む。皆さんペアでいらしてましたが会話にも混ぜていただき楽しい夕食でした。
食事を終えるころ、テラスの方に人が集まって来ました。そろそろ夕焼けの時間かな
雲海が下に見える尾根を越え、やがて遠くの方から色付いてくる
歓声が上がると、幻想的な景色が雲海と共に更に押し寄せてきました。
やがてクライマックスを迎えるころには、先程までの騒がしさは消え、みんな静かに遠くを見ているよう
想い、願い、恩情
なんだなんだ、この湧き上がる気持ちは
あ、さっき〝岳〟の最終巻を読んで廊下でおいおい泣いたせいだ。
いや山の高度のせいか、
いや歳のせいだ、
そうだ、嫁がこれからは下で一人で寝ると言い出したからだ、
いったいどうしたっていうんだ、このおセンチな気持ちは、まったくどうかしている
とにかく明日は早く帰ろう。
【AM4:30】暗闇の中ヘッデンの明かりで下山開始。っていくら何でも早過ぎやしない?
実は今日、大切な用事があり昼までに帰宅という難しいミッションを負っていました。
それにしても夜一人の登山道は怖い
遠くの方が少しずつ明るくなってきました。
富士山も見えた。
もう少しで朝がくる、太陽が出れば清々しく木々の間を駆け下りていくだろう。
また来よう、こんな素敵な山に
今日は大切な人に会いに行く日
こんにちは!
おぉ~登頂成功おめでとうございます!
なるほど、ご両親からすでに登山魂が
吹き込まれていたわけですね。
ならば遺伝子レベルで登らなくちゃモッタイナイ(笑)
素敵な景色ですね。
最近登ってないので山が恋しくなりました^^
次回は奥様と登るのがテーマですかね?( ̄ー ̄)ニヤリッ
こんにちは。はじめまして。
自分も初めての登山で燕岳とは反対側の北穂高岳から「槍」を見ました。
そのあまりの雄大さに、帰りに車で中房温泉の登山口まで行っちゃいました。
少しでも槍に近づきたくて。(笑
帰って調べてみたらそこは表銀座・燕岳への登山口だと知り、
1番行きたい山小屋は燕山荘になりました。
とても羨ましく、また楽しくブログ読ませていただきました。
燕岳からの稜線歩きは誰かと歩きたいですね。
「槍はステキよ」
Beefさんも近いうちに同じ事言いそうですねw
こんな景色見たら、いろいろ考えちゃいますよね〜
人間って・・・人生って・・・(笑)
綺麗な写真ばかりで癒されました〜^^
なんというストイックさ。
猪突猛進とはこのことか。
ダイエットに始まり30kmの走行、貪欲すぎます。
自分は1人で登ったり夜歩いたりなんて怖くてできませんよ、トイレには1人で行けるのに。
この勢いだと、来年には槍に登ってそうな勢いを感じます。
そうそう、次回は11月第一週目だそうですよ。是非!
山デビューおめでとうございます。
初歩きが、北ア、ソロ、ヘッデン歩きですって!
いや〜何処まで行っちゃうのか、楽しみにしてますよー。
初めまして^^
どこからたどり着いたのかはわかりませんがw、
綺麗な写真と素敵な文章に魅せられてしまいました^^
僕も登山したいなぁと思っていたのですが、
なかなか行動できずにいました。
Beefさんのブログ読ませていただいて自分が恥ずかしくなりました^^;
今年は低山からチャレンジしたいと思います。
あ、お気に入り登録させていただいてもよろしいでしょうか?
これからも覗きに来させていただきます^^
どうぞよろしくお願いします。
wishさん、こんばんは。
ありがとうございます!登りは思っていた以上にキツくて、山小屋の受付では声も出なかったです。笑
やや、奥様と登る?・・あっ、“嫁が一人で寝る~大切な人に会いに行く”からですかー。
それは誤解でやんす。嫁は雨の練習登山を無理に連れていってますので。笑
C-18さん、こんばんは。
訪問ありがとうございます!
初めての登山で北穂高岳ってすごいですね。大キレットの先に見える雄姿、自分も見てみたいです!
あはは、中房温泉までの山道は結構長いですよね、夜はヤバイぐらい恐くて本気で引き返そうと思ったぐらいでした。笑
燕山荘は素晴らしいかったです、今度はグループで行きたいと思います
変なブログですが、また来て下さいね
U10さん、こんばんは。
あの梯子高さとか絶対おかしいと思います!なんで僕はパス
そう、親に恐くないか聞いたら、強風のピークでスタスタと歩きまわる母親に「腰を低く!」と怒鳴る父親。これ間違いなく父親の遺伝と思いました。
それにしても山はいいですね、まだ入り口しか知りませんが感動しております。
機会があればご一緒させて下さ~い(^^
こはなのさん、こんばんは。
いや、記事には書かなかった事は沢山あります。
まず、車での道中がやばかった。それから車中泊に小屋に・・・今度話しますね
とにかく一人はきつい(怖い)っす!
あ、あ、11月ですよね。生贄に・・とにかく絶対置いてかないでくださいyo!
mokaさん、こんばんは。
ありがとうございます!山はいいですねー、ワクワクしながら用意したりして久々に買物が楽しかったです(そっち
て、ゆうかあれです、分かりましたよ、鍋を持って上がる凄さを。
それ最高にクレイジーです!
ちょんまるさん、こんばんは。
訪問ありがとうございます!
自分も初めての登山でしたが最高でした。もう次の計画を立てたりして、素人ながらお勧めします。いいですよー山
ちなみに記事はカッコつけて良いことを書いておりますが、自分ほんと怖がりでして、えと・・高いのもダメ、獣も、お化けも・・・よく一人で行ったもんです(笑
お気に入りぜひぜひ!私も登録させて下さいね~。よろしくでっす!
お久しぶりです。
凄い空気感が伝わってきて感動しました!!
ご両親のお話やbeefさんの近況を、読みながら勝手にイロイロとイメージしてしまい胸がいっぱいになってしまいました…
山はやっぱり良いですねー◎
素敵な写真をありがとうございます。 これからも素敵なお山、楽しみにしております!!
24KENさん、こんにちは。
いつもご家族で歩かれている24KENさんを羨ましく思います。男の子ですからガンガン冒険して行くのでしょうね〜
そうそう、自分が川歩きで距離を伸ばしたのは、24KENさんの荒川を下って海まで行っちゃうやつ、あれがヒントにでもあるんですよ。その節はありがとうございました。笑