100キロを走った。 時間や内容はともかく目指す所まで一日で走る。マラソンの42キロをはるかに越えた100キロだ。大会でもなく、誰かと一緒でもない、馬鹿みたいな距離を一人で走ったとなれば、自分でも何が楽しいのかと聞きたくなるけれど、完走すれば爽快そのもの。やっぱりランニングは最高!
毎日の練習は土手のロードを走ること。なんとなく始めたランニングも一年半も続けていれば徐々に距離も伸びてきて、今の自分が走れる距離を知りたくなる。と言うのも、そろそろ70キロを越えるようなロングレースに出たいと思っていて自分の走力を確かめたかったから。
でも〝確かめたい〟でただ何時間も走るのは無理、覚悟がいる、とういうか特別なきっかけがないとやる気にもならない。それで毎日同じ距離、同じコースを繰り返し走る。そんな矢先、ちゃんと走る理由が訪れた。
最近さぼらずに走っているのをいいことに〝俺、結構走れるよ〟感を妻に対して出している。
それで 「餃子を食べに宇都宮まで走って行こうかな~」 なんて粋がってみたら、
「面白そう、イイじゃない!」 と意外なリアクション。
なに簡単な受け答えでしょ、と思いきや 『餃子・走る・アホ』 がずい分とお気に召したようで、絶対に行った方がいいよと。
あのね、100キロ近くあるんだよ。 「いいじゃん!、いいじゃん!」 あのね・・・
実はこのパターンは何度かあって、軽い気持ちでタバコをやめると言った時もそう、後で(ああ、出来ないのね)と思われるのはしゃくだから絶対にやる!効果的な宣言のなのです。
「じゃ明日は頑張ってね」 と妻。 お、おおよ・・・
暗いうちに家を出て江戸川の土手道を北に向かう。日の出までしばらく時間があるというのに、暗闇のなか犬の散歩やらウォーキングをする年配の方がいて驚いた。一時間おきぐらいにコンビニで補給をしながら順調に進む。
川の合流地点から土手道を右折して国道沿いを走り60キロを過ぎたころからがキツかった。キロピッチに設定したGPSウォッチの信号がいつのも倍ぐらいに遅く感じた。それでも分かったのは、距離が進むにつれ絶望的に駄目になるかと思いきや走り続ける事はできる。めちゃくちゃ遅いのだけど少しずつ進み、予定より遅れて宇都宮に着いた。一人でゴール。
目当ての餃子屋は品切れで閉店、しかたなく空いている店に入りました。自分にとって壮大な距離を走りぬいたものですから超感動なのですが、日曜の夕方でガラリとした店で一人乾杯はなかなかシュール。それでも家族からの「おめでとう」のボイスメールが届けば何よりうれしい。泣ける
毎日走る。40半ばから始めたオジサンの趣味は記録なんて期待しません。走る前は拷問でしかないと思っていたけど今は楽しい。何が楽しいって、そんなのいっぱいある。ご飯は美味しいし、ビールも美味い、そしてなにより少しずつ成長する。この年になって成長できることってありますか?
別次元と思っていた100キロが意外と近くにあった、それでもまだまだこの世界では序の口なのでしょう。あーまだまだ楽しめる。
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