サウナ練サ活

新しいことを始めると自分の知らない世界があって、そこから派生したカルチャーや楽しい遊びの方にも興味が湧き、世界が少し広がる。二十歳ぐらいにあったそんな事が、一回り、いや二回りも歳をとったオッサンになった今もたまにある。遅いスタートのせいか大抵の場合もっと早くやっていればとか、教えてくれれば良かったのに~とかなるのだけど、トレランを始めてそう思ったのがサウナ。そう銭湯にあるサウナ。

トレランには〝サウナ練〟という不思議な練習があり(練習か?)気温の高くなる時期のレースでバテないよう、寒いうちから徐々に体を暑さに慣れさせる暑熱順化が目的。感覚的ではなく生理的な効果が期待できるようです。それとは別にサウナでリラックス体験を目的とした動き。それがサウナ活動、略して〝サ活〟です。
正直サウナに魅力をまったく理解していない自分は〝サウナ練〟やら〝サ活〟だかよく分からなかったのですが、トレランチームの中で『サウナ会』なる集まりができたので今がチャンスと参加してきました。

早朝に集合し高尾のトレイルに入っていきます。きつい登り返しの天狗ルートでしっかり追い込んでから南高尾の穏やかな道をなぞっていく。途中にある城山茶屋でビールというらしからぬ補給もあってか、今日はゆるめが良い感じ(本命はサウナだし)なんて考えていたら、いい距離を走っているのに拘わらずサウナ上がりに飲むだろう、キンキンに冷えたビールばかりが頭に浮かぶ。そんなもんだ。

サウナ会ではマナーと楽しみ方を、丁寧に教えてくれました。狭く蒸し暑い個室で、おじさん達がただ汗をかくために入ると思っていたのだが、そうでも無いようだ。自分が知らなかっただけかもしれないけど、サウナ愛好家には若い人にもいて通称『サウナー』と呼ばれている。そんな人達は究極のリラックスの状態〝サウナトランス〟を楽しむためにじっくり蒸されているらしい。サウナ→水風呂を繰り返し、意外にも重要なのは水風呂のほう、そして休憩時に訪れる感覚に「ととのった~」とうっとりする。こんな楽しいことを密かにやっていたおじさん達はずるい! などと思いながら初めてのサウナへ。

__作法通り体をよく拭いてサウナ室に入る。
壁に掛けられた温度計は90度、むっとする重い空気で息苦しい。室内の天井は低く三段に組まれたベンチの最上段に座れば、天井に頭が付きそうなほど。腰掛ける先の壁にはテレビが埋め込まれてある。
派手な絵が体に描かれた男はベンチの一段目に座り、横にいるもう一人男の脚には龍の模様があった。入れ墨を禁止する入浴施設から追い出された派手なおじさん達がここに集まるのだろう。
温度計の横にある一周12分のサウナ計の10分まで頑張りサウナ室を出た。

__サウナ室2ループ目。
先ほどの二人がまだいる、ずっと蒸されていたのか…
テレビの競馬中継では「G1、G1」と何やら特別な行事のようで熱く解説しているが、競馬を知らない自分はG1が何なのかも分からない。男たちはモニターを見ながらぼそぼそ話している。
しばらくしてハゲたおじさんが入ってきて「加藤さんは~?」と男達に聞いていた。駐車場に車があるのだが本人がいないらしい。ああ、と聞き流す二人は競馬中継に夢中のようで「G1は女性騎手が騎乗するのは何年ぶり、藤田菜七子騎手に期待する」という解説を静かに聞いていた。
サウナ計で10分を確認して水風呂に逃げ込む。

__サウナ室3ループ目。
サウナ室には誰もいなかったが、テレビの前を空け一番奥に座る。
解説を聞いて藤田騎手がまだ21歳の女の子と知り驚く、なぜに競馬?…。藤田菜七子騎手が凄いのかG1が凄いのか分からないが、何やら盛り上ってきた中継のなか男達が戻ってきた。今度は四人いる、たぶん端の人が加藤さんだろう。
レースが20分後に迫り男達も選手から馬に至るまでの説明で声のトーンが上がってきた。話題は藤田菜七子騎手の話となり、自分も前のめりぎみで若干モニターに近寄る様に聞き入る。ハゲのおじさんがケースの蓋を開け皆にかち割り氷をすすめる。僕にも回ってきたが断ると、派手な入れ墨のオヤジもすぐに氷を床に捨てていた。レースは10分後、急いで戻ろう。

__サウナ室4ループ目。最終ループ
いよいよレースがスタートとなり狭いサウナ室に人が押し寄せる。派手な入れ墨もハゲも龍も加藤もみんないる。自分にとって泣いても笑ってもこれが最終レースだ。そして世紀のG1がスタートした(G1ってなんだ?)
藤田菜七子騎手は遅れているが加藤さんは「良い位置についている」と言っている、どうやら後で一気に抜いてくるタイプらしい。最終コーナーが過ぎオヤジ達の激しい盛り上りのなか最終ストレート、藤田騎手の黄色のウェアを写すことなくレースは終わってしまった。それでも男達は「大したもんだ」と言う、結果は5着でしたが掲示板に記録表示されるだけで凄い事のよう。ああ、なんかよく分からないけど盛り上がった〜。
サウナを出てトレランのメンバーに再度合流する自分は、皆が行く高尾の温泉施設に入れなかった派手なおじさんと同じ。笑

もちろん〝サ活〟の締めは居酒屋で飲み放題。こんなランニングとサウナの組み合わせが癖になりそうです。

  • コメント: 4

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コメント

  1. 整いたいですね~
    最近は入ってないですが、サウナ好きです。

    ロシアのバーニャってのがあって、水風呂の代わりに-30℃の雪世界へ全裸ダイブするのが気持ち良いのです。
    あの解放感が忘れられない(笑)

    サ活、サ道、サウナ―…奥深い。

      • beef
      • 2019年 3月 19日

      え、-30℃に全裸でダイブって、それが気持ちいいのですか
      しかも解放感って・・・やっぱU10さんヤバいす。
      それにして色々な所に行って経験豊富ですね。いいな~

    • bebe
    • 2019年 3月 19日

    烏の行水であるボクにはその“サウナ”は限りなく縁遠く、
    思い返すと、随分と、おそらくきっと5本の指で数えられるほどしか体験したことありません。
    ~_~;
    でも何となく気持ちよさは伝わってきました!特にサウナ上がりの“部”が!!
    (º∀º)
    しかもツイッターで番外編も読んでしまったものだから、愉しさ倍増でしたよ。
    (´_ゝ`)
    お疲れさまでした。いやしかし奥さまのGPS追跡ってのが超笑える♪

      • beef
      • 2019年 3月 19日

      山遊びを始めるまでは、サウナはおろか温泉すら関心が薄かったので
      ここにきてやっと大人の楽しみを覚えた感じです。46歳なのに
      あらツイッター見てもらいましたか。お酒の失敗談は沢山あるのでいくつかお話しできたらと思います。寒さしのぎで腕に靴下を履きU字溝に体をはめ込んで朝を迎えた話などが忘れられません。

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